2005年07月01日

やっぱ『砂の器』にゃ、泣かされるなぁ〜

48d8fac1.jpg「この親と子がどのような旅を続けたのか、ただ想像するばかりです。……それはこのふたりにしか、わかりません」

捜査会議における丹波哲郎のセリフ。そして、菅野光亮氏のピアノで組曲『宿命』が、静かに流れます。
うぉ〜ん、泣く用意はいいですかぁ?

この映画は、当方が中学2年生の時に劇場で観たのです。それも公開初日。しかも、全く砂の器を観ようとも思わずに……。

どうしてかって?
実は劇場(いまは無き上六映劇)では前日まで青い体験が掛かっており、友達とふたりでその映画の前売り券を買っていたのです。
ところが土曜日に『青い体験』が『砂の器』へ切り替わっていました。我々は慌てて、劇場へ払い戻しの交渉をしたのです。しかし当然、劇場側は受け付けてくれません。

肩を落とす我々に劇場のおじさんが、「君らもっとええ映画観やんとアカンで。特別やけど、いまやっている映画を観て帰り」と気を利かせて入場させてくれたのです。ふたりは無言で席に着きました。そして映画がはじまったのです……。

……ということで、こうして図らずも生涯のベストワン映画と遭遇してしまいました。出会いは、突然に訪れるものなのですね。
いやぁ、上六映劇のおじさん。ホンマにありがとうね。

by kou3

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監督 野村芳太郎  出演 加藤剛 丹波哲郎   原作者、松本清張をして「原作を超えた」と言わしめた野村芳太郎監督の 最高傑作。無知な人間達が生み出した悲劇が、哀しさ切なさを伴い、 クラッシックピアノの伴奏に包まれ、鮮やかな映像美となって紡がれて 行く....
砂の器【TOKITAMA少年マンボー】at 2005年10月23日 23:47
この記事へのコメント
その、観ようと思っていた映画は、18禁ではなかったのですね(笑)
同じ映画館で、そんなに違う内容のものを放映しちゃうんですねぇ…と、そっちのほうに感心してしまいました。
そんな展開で生涯のベストワン映画と出会うなんて、運命って面白いですね☆
松本清張の原作は読んでますけど、影像としてはSMAP中居くん主演のドラマしか分かりませんが、映画でもドラマでも映像化された素晴らしい作品だという情報だけは頭の中にありました。
私も機会を積極的に作って観てみますね(^^)
Posted by kato〜 at 2005年07月01日 01:06
へぇ〜。なるほど。上六映劇のおじさんが、当時中学生だったkou3サン達にお薦めするくらいだったんですから、素晴らしい作品なのでしょう。でも……ワタシも中居サン主演のドラマをハマって見てましたが、そんな泣ける内容でしたっけかなぁ?こんな事言ったら、kou3サンに「君、わかってないなぁ…!」な〜んつって、突っ込まれそうなんで、これにて終了☆(*^_^*)
Posted by ◎理恵◎ at 2005年07月01日 01:40
kou3さん、中2で「青い体験」とは、ちょっとおマセではないのでしょうか?kou3さんってそんな人だったのですね。
「砂の器」はワタシも感銘をうけた映画のひとつです。松本清張の原作は短編だったと思うのですが、それを後世にのこる名作にするなんてスバラシイ。最近の邦画で、原作を超える映画ってなかなかムズカシイですよね。
最近よかったなと思ったのは「GO」「理由」でしょうか。
映画と原作を比べるっていうのも、結構楽しかったりします。みなさんのおすすめって、ありますか?
Posted by ももこ at 2005年07月01日 01:42
kato〜さんへ
「青い体験」は、当時すごく流行っていたのですよ。続編などできて、映画としての完成度もありました。
ただ、やっぱ甘酸っぱい気持ちを持たせましたね。

理恵さんへ
当方、テレビ版も観ました。映画版はラスト40分に、テレビ版では及ばない"泣かせ"があるんです。本浦千代吉のキャラによるところなのですが……。

ももこさんへ
「砂の器」は長編小説です。
清張作の短編で映画化されたのは、同じ野村芳太郎監督で「鬼畜」がありました。これも名作ですね。
Posted by kou3 at 2005年07月01日 07:29
いやぁ。ええ話やね。

自分はこの間『ミリオンダラーベイビー』を見に行ったんだけど、3時間待たなきゃいけなかったから、もーいいやっ。別のを見よう。って諦めて入った映画『ホステージ』(ブルース・ウィリス主演)でずっこけたばかりだから、余計にいい話に写るよ。

しかも、それに出ていた娘役の女優がとにかく大根で、かなり太めで微妙な顔立ち。うーんなぜこんな女優がオーディションに受かったんだろー!?ありえん!と憤慨していたら、何とブルースの実の娘でした。ということはデミ・ムーアの娘っ!何にも遺伝しておりませんがな。

でも、ブルース曰く『娘は最高の演技をしたよ!』
だって。うーんダイハード。
Posted by hiro→ at 2005年07月01日 16:17
ももこサンのコメントを見て『作者の中でも長編小説に入ると思う』と書こうと思ったら…kou3さんが既に書いていらっしゃいましたね。
私が持っているのは文庫ですけど、上下巻に分かれていますから…。

kou3さんへ…そうなんですか。続編まで出ていたのですね。
あらためてリンク先のコメントをじっくり読ませていただきました。ふむふむ…。
それでkou3さんは、その後、観られる機会はありましたか?

hiro→さんは、観たい映画が長時間待ちだったら、他の映画を観たりされるのですね…
私は、興味ない映画は観ようとは思わないんじゃないかなぁ…その場になってみたら考えが変わるのかなぁ…?
それともhiro→さんは多少なりとも興味があったのでしょうか?
逆に、そんなに大根女優の『最高の演技』っていうのを観てみたいような気もしますけども…
(きっと演技、顔立ち以外のどこかしらは遺伝してるんだと思いますよ)
Posted by kato〜 at 2005年07月01日 19:37
はじめましてなのですが
上六映劇ってもしかして上本町6丁目の?
映画館の跡地に劇場作ったけど
そこも去年閉鎖したって場所ですか?
懐かしすぎる名前なので出てきてしまいました。
Posted by HIKO at 2005年07月01日 22:40
kou3サン!お返事有難うございます☆ドラマ版では及ばない"泣かせ"があったんですね〜。なるほど〜そうでごじゃりましたか!その40分たるものが、気になるところです。ドラマ版をハマって見ていただけに…。コレは映画版も見るべきダスね(o^o^o)そして、hiro→サン!ワタシは多分、三時間待ちだったら…もーぅいいや、帰ろっ!ってなると思います。ってゆうかぁ、時間調べて行くから今んとこそんな経験はないな。それよりも、"かなり太め"だの"微妙な顔立ち"だのヒドイっすね〜(笑)決して人の容姿をあ〜だこ〜だ言える立場じゃないけど、笑っちまったよ…。
Posted by ◎理恵◎ at 2005年07月02日 00:13
こんばんは。
砂の器は本当に素晴らしい話なのですね!
私も中居さん主演のドラマしか観たこと無いです。
しかもほんの少しだけなので内容もあんまり知らないんです。
今度は砂の器を観てみようと思いました♪
この前は話題になっていたラストサムライを観たのですが、またいい作品に出会えました!
侍の方達は外見だけじゃなく中身がカッコ良かったです。
この作品を観るきっかけを下さったkou3さんとhiro→さんに感謝です。
Posted by MiHo.K at 2005年07月02日 22:12